空想商會

日々の記録。料理やカフェや雑貨の話題が多めです。

LAURA ASHLEYに還れ

ローラアシュレイというブランドが好きで時々店を覗きに行きます。

ローラアシュレイは1953年創業のイギリスのライフスタイルブランド。ヴィクトリア朝時代の装飾とウェールズ地方の田園風景にインスパイアされた英国カントリー調を特徴としています。主に取り扱うのはインテリア用品とファッション用品で、特に花柄のプリント生地に定評があり、甘やかだけれど華美には走らない絶妙な「大人かわいさ」が幅広い年齢層の女性から支持されています。

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ティーカップやトートバッグなどが家にあります。ティーカップは〈クチュールローズ〉という柄でローズピンクの薔薇模様が愛らしいデザイン。バッグは〈ピオニー〉という柄でコーラルピンクの芍薬がエレガントなデザイン。デザイン性と実用性を兼ねそなえた才色兼備なアイテムです。

でも実はローラアシュレイを好きになったのは最近のことで、若いころはフェミニンなスタイルよりユニセックスなスタイルの方が好みでした。機能性を重視した結果ですが、女子という型に嵌められたくないという思いも多少はあったかもしれません。

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好みが変わったのは結婚してからでした。夫と息子の私物が黒ばかりなので、放っておくと部屋の雰囲気が暗くなってウツになる現象に気づいたのです。夫に任せると部屋がヨドバシカメラのようになり、息子に任せるとサッカー部の部室のようになってしまうことも判明しました。

女子という型に嵌められたくないと思っていましたが、本物の男たちと暮らしてみると自分が女であることを認めざるを得ません。花も色味もない武骨な部屋に耐えられないのは私だけなのです。せめて自分が管理する物だけでも明るい色にしないと、生活する気力が湧いてこないのでした。

「ローラアシュレイが好き」と自覚するようになったのは、ある種の諦めの結果であり、適応の結果であり、吹っ切れた結果でもあります。

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もうひとつ、昭和が遠くなったというのもローラアシュレイが好きと言えるようになった理由かもしれません。

流行というのは不思議なもので、少し古いものは嫌がられますが、うんと古いものはヴィンテージとかアンティークとか呼ばれて好まれる傾向にあります。平成には敬遠された昭和テイストが、令和には昭和レトロと呼ばれてリバイバルしたりします。

北欧デザインが流行しだした90年代には、英国調は昭和の流行として敬遠されがちでした。でも北欧デザインが半ばデフォルトとなった今では、逆に「英国ヴィンテージという世界観」としてアイデンティティが確立されたように見えます。歴史を重ねた結果、流行ではなく純粋にデザインで評価されるようになったのかもしれません。

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今はローラアシュレイのヴィンテージワンピースに興味があります。ウエストがきゅっと絞られていてシルエットが美しいものが多いのです。ビッグシルエット推しのトレンドには逆行しますが、女性の体を美しく見せてくれるのはやはりプリンセスラインやフィット&フレアの服だと思います。

もっとも、ヴィンテージワンピースを着こなすのは難しいので、実際にはテイストの近い新品の服を買うことになります。ローラアシュレイのほか、ハーモニカやアマカの服が好みです。リバティプリントのワンピースにも挑戦したいと思ってます。*

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