過去に行った展覧会のまとめです。
■ドレスデン国立古典絵画館所蔵 フェルメールと17世紀オランダ絵画展
目次
1. 概要
フェルメールの傑作《窓辺で手紙を読む女》。修復により塗り潰されていたキューピッドが現れて本来の姿を取り戻した同作品を世界に先駆けて公開。同館所蔵の17世紀オランダを代表する絵画約70点も合わせて展示。
- 会期 2022.04.22 - 2022.06.26
- 会場 北海道立近代美術館
【特別展】フェルメールと17世紀オランダ絵画展 | 北海道立近代美術館
2. 解説
《窓辺で手紙を読む女》は17世紀オランダを代表する画家フェルメールの初期の傑作です。窓から射し込む光のもとで手紙を読む女性の姿が描かれています。その背景は白壁となっていましたが、1979年のX線調査により余白部分にキューピッドの絵が描かれていたことが判明。誰かが何らかの理由でキューピッドを塗りつぶしていたのでした。
長年、その絵を塗りつぶしたのはフェルメール本人だと考えられてきました。しかし2017年から始まった修復プロジェクトにより、キューピッドが塗りつぶされたのはフェルメールの死後であることが判明します。当時もっと高値で取引されていた別の画家の作品(レンブラント?)として売るために、画商が細工をした可能性があるそうです。
フェルメールはキューピッドを消していなかった。そこで修復の際にキューピッドを復活させることになりました。2021年に修復作業が完了、フェルメールが描いた当時のままの《窓辺で手紙を読む女》がよみがえりました。
日本での公開は、所蔵館であるドレスデン国立古典絵画館での公開の後、世界に先駆けて行われていたそうです。
3. みどころ
修復作業によりキューピッドと鮮烈な光を取り戻した《窓辺で手紙を読む女》を見ることができました。修復前の《窓辺で手紙を読む女》の複製画も展示されており、修復のビフォーアフターを見比べることができました。
4. 感想
キューピッドのあるなしで随分印象が変わるのだなと思いました。背景が白壁で画面に余白があるのも静謐な趣きがあって良いと思いますが(日本画の感覚に似ているからそう思うのかもしれません)、キューピッドがあると一転して、なにやら物語が始まる予感がしてきます。(キューピッドは愛の寓意なので、女性が読んでいるのはラブレターである可能性が高くなるのです)
あと、修復された方は全体に色彩が明るさを取り戻して、光がとても鮮烈に感じられました。中世の絵画は全体的に茶色っぽいと思い込んでいたのですけれど、それは時間とともに退色したからであって、本来はわたしたちが考えているより鮮やかな絵が多いのかもしれません。
5. 購入品
図録と展覧会限定のぬいぐるみを買いました。《窓辺で手紙を読むミッフィー》、フェルメール×ミッフィーのコラボ製品です(オランダ繋がり)。キャラクターものは集めだすとキリがないので買わないようにしているのですが、このミッフィーのかわいさには抗えませんでした。*