空想商會

日々の記録。料理や植物の話題が多め。ブクログにもいます→ https://booklog.jp/users/shiosato

”女性の人権切り下げ運動”

はじめに

トランスジェンダリズムについての勉強ノートです。なるべく誤りのない記述を心がけてはいますが、素人の独学であること、個人の感想であることをご理解ください。

また、私はトランスジェンダリズムに反対していますが、LGBTのうちLGBの方、Tの中でも古典的な性同一性障害(GID)や性分化疾患(DSDs)の方は無関係と考えています。

私が警戒するのはトランスジェンダリズムという思想、およびそれを社会に広めているトランス活動家です。トランス当事者については、トランスすることで本人が生きやすくなるなら個人の自由と考えます。

ただし、女子スポーツや女性専用スペースなど、トランスジェンダー(特にMtFとAG)の要望を受け入れることによって女性や子どもの安全が脅かされる場合、私は後者の側に付きます。

 

トランスジェンダリズムとは

トランスジェンダリズムとはジェンダー・セルフID法を推進する運動のことです。ジェンダー・セルフID法とは、法的性別を医学的要件なしに性自認によって変更できる法制度です。

ざっくり言うと「体は男」でも「心は女」と本人が言うなら無条件で女性とみなすという思想です。女装してなくても、性別適合手術を受けておらずペニスがついたままでも、性愛の対象が女性であっても、本人が「心は女だ」と主張しさえすれば、それだけで法的に女性と認められる。それがトランスジェンダリズムが目指す社会です。

もちろん、体は女だけど心は男だという人にもこのルールは適用されます。体(生物学的性)は男だけど心(性自認)は女である人をトランス女性と呼び、体(生物学的性)は女だけど心(性自認)は男である人をトランス男性と呼びます。

 

セルフID制の問題点

「誰もが生物学的性に囚われず、自分の望む性を生きられる社会を」。性別違和に悩む人は実際に存在するため、この考え方は非常に進歩的で人道的なものに思えるでしょう。私も最初はそう思っていました。事実、欧米諸国では既にセルフID制が導入されている国が少なくありません。

ところが、そのようなジェンダー先進国では、予想しなかった形で市民生活に混乱が生じており社会問題化しています。いまやトランスジェンダリズムセクシャルマイノリティの人権擁護の域を超えて、世論を二分する政治的案件になっています。

体が男でも心が女なら女である、つまり「トランス女性は女性です」と法的に定められた場合、どんなことが起こるのか。これを知らないままに「セクシャルマイノリティの方々の権利が守られて良かった」と善意で受け入れてしまうと、あとになって「こんなはずじゃなかった」と後悔することになりかねません。

この件については海外の先行事例が参考になります。セルフID制を導入した国では、次のような問題が実際に起きています。

 

海外のトラブル事例

アメリカ人男性の水泳選手Lは、あるとき自分はトランス女性であると告白。水泳協会はLの性自認を尊重し、女子競泳への参加を認めた。男性の体を持つLは女子競泳では無双であり、あらゆる大会で優勝。一方、女子選手からは「こんなのはフェアじゃない」と抗議の声が上がっている。

・オーストラリアの女子サッカーの大会で某チームが全戦全勝という圧倒的強さで優勝し、賞金約10万円を獲得した。そのチームは11人中5人がトランス女性(身体男性)だったからだ。他チームの女子選手やその親からは「アンフェアだ」「危険なので出場を辞退させたい」「あまりの能力差にやる気をなくした」等の意見が出て、議論を巻き起こしている。

アメリカの某大学では、女子更衣室はトランス女性(身体男性)も使用可となっている。だが、ペニスのあるトランス女性と同じスペースで裸になることに心理的抵抗を持つ女子学生は多く、恐怖を覚える者もいた。女子生徒達は「男子と同じ更衣室で着替えるのは苦痛だ」と教師に訴えたが、教師は「トランス女性は女性なので女子更衣室を使う権利がある」と主張。さらに、身体男性の前でも抵抗なく服を脱ぐためにジェンダー再教育プログラムを受けるよう女子生徒達に言い渡し、引き続き同じ更衣室で着替えをするよう命じた。

・性犯罪で逮捕されたイギリス人男性Kは、逮捕後に「自分は心が女である」と主張。Kは性別適合手術を受けていない筋骨隆々とした男性だったが、裁判所はKの性自認を認め、Kを女子刑務所に収監した。その結果、女子刑務所内で女性囚人2名がKにレイプされる事態となり、Kは改めて男子刑務所に収容されることとなった。

 

"女性の人権切り下げ運動"

これらすべての事例に共通することは、女性スポーツや女性専用スペースにトランス女性(女性自認の男性)が入ってくることによって割を食うのは常に女性だということです。 男性は痛くも痒くもありません。男性スポーツにトランス男性(男性自認の女性)が参戦したり、男性専用スペースにトランス男性が侵入しても、男性にとって脅威にはならないからです。

勝利や賞金を獲得する機会を奪われたり、モチベーションを削られたり、不安や恐怖を与えられた挙句、不安や恐怖を感じたこと自体に罪悪感を持たされたり、現実に性被害にあったりするのは、常に女性です。そのため一部のフェミニストは「トランスジェンダリズムは女性の人権切り下げ運動だ」と主張しています(私も同意です)。

 

それは本当に「デマ」なのか

これらはセルフID制を導入した国で現実にすでに起きていることです。しかし困ったことに、このようなことを書くと「トランス差別者による悪質なデマだ」という抗議がトランス活動家から寄せられるため、一般市民はおろか大手メディアでさえ意見を言いにくくなっているというのが現状です。

ちなみにデジタル大辞泉から引用すると、

デマ《「デマゴギー」の略》
1 政治的な目的で、意図的に流す扇動的かつ虚偽の情報。
2 事実に反するうわさ。流言飛語。

なので、すでに起きた事実を述べることはデマ(虚偽の情報)には当たりません。

なぜこんな言葉の定義をわざわざ書くかというと、トランスジェンダリズムというのは、ある意味「言葉の戦争」だからです。細心の注意を払って言葉を精密に運用しないと、簡単に術中にはまってしまう仕掛けになっています。

そのことについては、またどこかで。(次があれば、ですが)*

f:id:ShioSato:20240728070054j:image